2013年3月17日日曜日

果樹園を拡充。アセロラ栽培に挑戦。

いろいろな人のはからいで、果樹園を借りることができた。笠沙の赤生木(あこうぎ)というところで、面積は3反弱、25aくらいだろうか。

この園地は地主のSさん夫妻が半世紀をかけてつくり上げた素晴らしいカンキツ園の一部で、非常によく管理されている。また、赤生木のこのあたりは無霜地帯ということでカンキツにとって環境は最高である。

現在の樹種構成としては、1/3がタンカン。1/3が不知火(いわゆるデコポン)で、残りの1/3はキンカンとタンカンが混植されているが、枯損木が多い。この1/3のスペースは、元はタンカンが全面に植えられていたそうだが、なぜか植えても植えても枯れてしまったということで、今ではほとんど生産能力がない。土壌の問題なのかなんなのかわからないが、ともかくこの園地の弁慶の泣き所というわけで、ここがあるからこそ私のような若輩者に貸して頂けたのだと思う。

というわけで、この園地のポイントはこの1/3を有効利用することであろう。最初はタンカン以外のカンキツを植えようと思っていたが、もしかするとカンキツ全般にとって何か都合が悪いことがあって次々に枯れてしまったということなのかもしれないので、思い切って全く違う樹を植えてみることにした。

それは、「アセロラドリンク」でおなじみの、あのアセロラである。私自身、アセロラの生の実を食べたことがないのだが、ビタミンCが豊富で健康そうなイメージと、そして未だほとんど流通していないという点を買っての冒険である。

昨年、アセロラの苗を試験栽培してみたが、樹勢が旺盛で昆虫の食害もなく、樹としては非常に強い。だが寒さには極端に弱く、12月くらいまでピンピンしていたのに、霜が降りたらすぐに枯れてしまった。こいつは霜が降りるところでは全くダメな果樹で、現在、日本での生産は沖縄が中心であり、本土の露地栽培では経済生産の実績がないと思われる。しかし、この赤生木が本当に無霜地帯なのであれば、可能性はある。

もう一つアセロラには弱点があって、それは実の痛みがやたらと早いことである。収穫後2〜3時間で痛み始め、次の日くらいには食べられなくなるという。これではほとんど流通は不可能だ。冷蔵・冷凍食品の流通王手であるニチレイが、畑違いの飲料事業となるアセロラドリンクを発売したことの背景も、傷みやすいアセロラを劣化させずに冷凍する技術を持っていたことが関係しているのである。

ということで、アセロラは普通には売れない商品なのであるが、ジャムなどに加工することで商品化できるかもしれない。先行きは不透明であるが、今年には加工施設も作りたいと思っているので、見込みがないわけではない。他の人がやらなそうなことをやってみる、ということが新参者に期待されていることだと思うので、失敗覚悟で取り組んでみる所存である。

ところで、アセロラドリンクは今でも「ニチレイ」の名を冠して販売されているが、実は事業はサントリーに売却されている。ニチレイは飲料事業をアセロラドリンクしか持っていなかったので、経営の効率化を図るために飲料事業を切り離したのである。今でも原材料の供給はニチレイが担っているが、サントリーになってからどうも品質が劣化したようで残念だ。昔の濃厚なアセロラドリンクを、もう一度飲みたいものだ。

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